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少女漫画は、元々は手塚治虫や松本零士など男性作家によって描かれていた。女性作家が描くようになったのはその後となる。
少年漫画が「過激さ」を重視しているとすれば、基本的には少女漫画は「癒し」を重視しているとも言える。絵柄としては可愛らしい・綺麗な印象をあたえるものが多い。作品世界の情趣を大切にして背景をリアルに描きこむことはさけ、コマ割りなどを駆使し、人物の感情の流れを重視した演出に優れる。また、動きを表現したり視点を頻繁に変更したりする絵は比較的少ない。ただし一部では青年漫画的な表現や映画的手法を持ち込み、伝統的な少女漫画的表現にとどまらない表現手法を模索する動きもあった。
1970年代には少女漫画特有の装飾的な表現が発達した。人物背景に花を描きこむ、キャッチライトが多数入った睫毛の長い目などである。美形の男性・男装の麗人などが登場し、華麗なストーリーを展開した。1980年代以降は等身大の女性を丁寧に描く作家が多くなり、装飾的な表現は大幅に簡略化され、シンプルな背景にキャッチライトが入らない目の人物像を描く漫画家が増えた。
テーマは対象年齢となる少女の憧れであることが多い。特に初恋ものやファーストキスなどの恋愛ものはスタンダードな題材であった。また、おしゃれや芸能界デビュー、可愛らしい魔女っ子ものなどもある。オカルト物・ミステリー物の伝統もあり、それを一ジャンルとした専門誌もある。
1970年代に入り、萩尾望都、竹宮惠子、大島弓子、山岸凉子(24年組)など、それまでに無いSF、ファンタジー、少年同性愛を描く少女漫画家が出て、少女漫画の世界が一気に広がった。この点においては、柴田昌弘(サスペンス性・SF的要素・メカニック)、和田慎二(主にアクション)など少女漫画デビューの男性作家の貢献も大きい。
また1980年代に入ると、少年漫画にも高橋留美子を皮切りに女性漫画家が進出し、あだち充のように少年・少女誌両方に連載を持つ作家が現れた。これによって、人物の心理描写等で少女漫画の手法が少年漫画の世界にも広く波及するようになった。
池田理代子『ベルサイユのばら』など、宝塚歌劇団によって上演されている作品も多くある。
少女漫画読者層の広がりと作家のキャリアが長くなってきていることもあり、ヤング・レディース、レディースコミックが分化した。
出版社専属の作家が多数存在するが、この業界は一種のリーグ制を導入している。誰もが望むであろう連載組はわずか1〜2割しかいない。短期連載組1割、その残りが読み切り組につくことになる。不人気なら専属契約を解除される厳しい世界である。少女漫画作品は他のジャンルに比べて、ストーリーの完結性が強く、計算された物語性が要求されるが、「売れる」と認められるのは(内容の質に拘わらず)連載が長く続く作品であり、短編に優れた作者にはまったく不利となる。この不安定な労働条件が、創作意欲の高い作家ほど早く力尽きるといった傾向を生み、日本の漫画界にとって大きな損失になっている。
最近は女性読者の少年漫画への流失や、女性作家が少年漫画雑誌に連載することが多くなったことで少女漫画は衰退の傾向にある。とはいえ、『のだめカンタービレ』や『ハチミツとクローバー』など、少年漫画に見られない独特の魅力で男性読者を掴んでいる少女漫画も少数ながら存在する。特に矢沢あい『NANA』は、男性読者や普段あまり漫画を読まない層を読者層に取り込み、2005年度オリコン1位(漫画部門男女)を獲得する等、少女漫画に光を与えた。同時期には花より男子がドラマ化され、単行本の売り上げが急増し少女漫画の中でも一番売れた漫画となった。マスメディックス化が近年では多く、NANA等が成功例である。
だが近年、少年漫画では絶対に許されないような性描写を楽々やってのける少女漫画が増えていることが疑問を投げかけられている。これは、現在の女性を尊ぶ風潮や、少年漫画や一般の男性向けの成年雑誌、及び深夜・UHFの男性向けアニメ、18禁PCゲーム等に抗議する抗議団体が少女漫画に対しては全くと言っていい程難色を示さないことから、少女漫画の規制が薄くなっているため起きている。そして、一般に「オタク」を嫌い、そのサブカルチャー文化を否定する少女達が、こういった現状によって場合によっては「オタク」のサブカルチャーよりも性描写の強いものを受け入れるという矛盾も発生している(とあるサイトのレビュー(性描写のある画像がありますのでご注意ください))。